2011/05/07

若者デモと菅総理による浜岡原発の停止要請

5月6日(金)の夜に記者会見を開催した菅総理大臣は、「国民の皆様に重要なお知らせがあります」と切り出して、中部電力に浜岡原発の(5号機までの)全ての原子炉の運転停止を要請したと発表した。その大きな理由は、約30年以内にかなり高い確立で発生が予想されている東海大地震(M8レベル)だという。一般常識的に考えても有り得ないことだが、浜岡原発は地震の活断層の真上にあり、以前からその危険性が叫ばれてきた。まだ発表されたばかりで本当に(いつぐらいに)止まるかわからない話ではあるが、まずは史上初めて運転中の原子炉を止めるという勇気ある決断を下した菅総理大臣の大英断に心からエールを贈りたい。以下がその全文。http://bit.ly/kflswp

【エネルギーシフトジャパン】
というのも、4月26日(火)に衆議院第一議員会館で『チェルノブイリから25年』と銘打って開催された「エネルギーシフト勉強会(エネシフジャパン)」で、石橋克彦神戸大学名誉教授の話を聞いていたからだ。「エネシフジャパン」は、日本を原発に頼らずに、自然エネルギーにシフトする日本を創る国民と議員の恊働イニシアティブだ。及ばずながら僕もよびかけ人に名前を連ねさせてもらっている。第一回目の勉強会には、地震学の権威である石橋教授と環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんが政策決定に関わる超党派の国会議員と一般市民に向けて講演をされた。http://t.co/EuTlIWl

この仕掛け人は、社民党政審会長の阿部知子氏と元環境省地球環境審議官の小野敏郎氏だという。国会議員は、民主党の元農水大臣の山田正彦氏をはじめ与党時代から原子力政策の矛盾を訴えていた自民党の河野太郎氏から元幹事長の加藤紘一氏まで10党の議員が呼びかけ人として参加していた。霞ヶ関や永田町に詳しい友人によると小野氏は政界の寝業師と呼ばれるほどの交渉力がある人だという。「脱原発 超党派で議論」4月26日(火)朝日新聞記事(第4面)
http://twitpic.com/4pu0nc/full

【地震国の日本には適さない原発】
東京電力は、今回の原発事故について「想定外」という言い訳を繰り返しているが、石橋教授は1997年にはすでに「原発震災」という言葉を作って、2005年には国会(衆議院予算委員会)でも今回起きたような巨大地震との複合震災が発生する可能性に警告を発していた。それをこれまで原発業界ぐるみで無視してきたのだ(だから今回の事故が想定外とは言わせないし、天災ではなく人災であることも確認したい)。

石橋教授の講演のポイントは、日本列島は「ほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある」ということで、全国いたるところで活断層が縦横に走っている地震大国の日本には、どう考えても危険すぎるということだ。しかも原発の耐震設計なども古い地震学に基づいて作られているという…。特に今回菅首相が停止を要請した浜岡原発は、東京から約180キロ圏内にあり、事故が起きれば風に乗って放射性物質が首都圏を含む関東全域にも降り注ぐことになる。最悪の事態が起これば、政治的中枢を含む経済の心臓部である首都圏が壊滅する危険性もある。その意味では、もういつ起きてもおかしくないと言われている東海大地震が起きる前に停止させて安全性を確認することは、理に適った合理的な判断だといえる。http://bit.ly/752FND

【デモやパレードの影響も】
それにしても、この菅総理の重大な決断には何が影響したのだろうか?もちろん政治家だから、そのことによる政治的な利益(政敵からの批判をかわすなど)ということもあるだろう。でも個人的には、若者を中心に4月10日(日)の高円寺デモを皮切りに、各地で開催された「脱原発」デモの影響もあったのではないかと考えたい。この日は鎌倉をはじめ全国各地で脱原発を訴えるデモが開催された。
http://410nonuke.tumblr.com/

【4・11高円寺の脱原発デモ】
自分もリサイクルショップ「素人の乱」を運営する松本哉さんらが反原発の国際行動デーに呼びかけた「4.10原発やめろデモ!!!!!」@高円寺に参加した。ツイッターを使って情報を入手した若者たち。赤ちゃん連れの若い夫婦や数人連れのオシャレな女性たち、いろんなコスプレ?の人たちもいる。友人グループで花見代わり?に参加。ベテラン勢も含めて幅広い年齢層が主催者もびっくりの1万5千人も参加!それぞれに鳴り物を持った参加者は、ドラムを持ったリズム隊の太鼓に合わせて「原発・いらなーい!」と叫んでいた。僕が歩いたところでは、サウンドカーでみんなも一緒に歌った元祖レゲエのランキン・タクシー氏による脱原発ソング「やっぱり・原発・ダメ絶対!」が最高に楽しかった。

【アースデーの代々木公園でも】
参加者の多くは初めてのデモ参加だった。(政治的にシャイで)自分の意思を公には表現しないといわれる若者たちが、福島原発によるあまりの惨状に(脱原発の意思を勇気を出して)「行動で示さなきゃ」「自分達も声をあげなきゃ」と立ち上がったのだ! 子育て中の親たちにとっては、日々の飲み水の安全性を話だし、スーパーで買う野菜が放射性物質に汚染されているかもしれいないという、切迫した問題だからだ。個人的には、このデモは大袈裟ではなく、日本のデモクラシー(民主主義)に生まれたフレッシュな息吹だと感動したが、こんなに重要なイベントをNHKをはじめ大手新聞などマスコミは信じられないことに黙殺した。

これにはジャーナリズムに期待していただけに本当にがっかりした。 でも、このことは権力側がこのような動き(脱原発の民意の噴出が連鎖すること)を恐れていることの裏返しでもあることを感じた。つまり「効いている」のである。これに続いて4月24日(日)に開催された「エネルギーシフトパレード(エネパレ)」は5000人の参加者を集めたという。http://bit.ly/fgUbcK 代々木公園のアースデー東京会場からスタートしたエネパレは、その様子を今回は朝日新聞も取り上げた。「原子力から自然エネルギーへ 転換求め東京でデモ」http://bit.ly/g24eYF

【世田谷でもエネルギーシフトデモ!】
そしてGWの最終日である5月5日には、僕ガ住む地元の世田谷、梅が丘の羽根木公園から下北沢のせせらぎ公園まで歩く「世田谷エネルギーシフト55パレード-子どもの未来のために歩こう-」に参加した。http://bit.ly/itj9Wf このデモは、高円寺デモに刺激を受けた「トランジションタウン世田谷(茶沢会)」の仲間が、たった10日間で準備をしたものだ。

このデモには、短い準備期間の割には800人もの人が広く他県からも参加した。子どもの日だけに、子供連れの家族や若い人も多くてとても楽しいデモだった!高円寺や代々木公園のデモに参加した人たち(賑やかなリズム隊など)も応援に駆けつけてくれた。地元からは環境や教育、再開発問題などに取り組む人たちも参加し、うれしいことに4月の統一地方選挙で「脱原発」を掲げて当選したばかりの保坂展人新区長も個人として挨拶に来てくれた(2分間の映像)。http://bit.ly/itj9Wf

このデモは、脱原発の報道姿勢を明確にしている東京新聞でも紹介された。http://amba.to/jNogpo
そして同じ開催予定欄に紹介されているのが今日、5月7日(土)の渋谷(区役所前14時スタート)で開催されている「5.7 原発やめろデモ!!!!!!!/原発やめろ!超巨大サウンドデモ」だ。高円寺に関わった主催者たちが企画したがなんと数万人の参加者が予定されているという。http://57nonukes.tumblr.com/

ただ報道によれば経済産業省は、この期におよんで「原発重視を方針を堅持して安全宣言で電力確保目指す」という。そして早速、日経新聞やNHKが原発停止に対して批判的な論調の報道を始めているという。何重にも国益を損ねて、これだけの多くの人々や環境に甚大な被害と汚染をもたらしたことへの反省も責任を感じることもない、既得権益にまみれた原発推進派の巻き返しを絶対に許したくない。http://bit.ly/ixd24i

ここは、ひとりでも多くの人が各地で開催されているデモに参加して、冒頭に紹介した「菅総理大臣の大英断」にエールを贈ってこの勢いで脱原発の「エネルギーシフト」の流れを決定的なものにしよう!

こおりやままさや
http://twitter.com/#!/MasayaKoriyama

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